こんにちは!

今回はキルギスで使われている言語について書いていけたらな!って思います。

話されている2つの言語

一番初めのブログで書いたのですがキルギスはどんな言語が話されていると思いますか?

 

答えは、キルギス語とロシア語、です。

それぞれの立ち位置としては

キルギス語→国語

ロシア語→公用語

という感じです。

近年ロシアに頼らず自分たちの国だけで国を成り立たせよう!という動きもあり前よりかはキルギス語を大事にしよう!!という考えが出てきているそうです。例えば店の看板の表記を2か国語表記にするなど。ロシア語ユーザーの私からするとロシア語がなくなると困る、、、というのが正直な感想です。

2言語の使い分けは?

このように街では2つの言語が話されている、ということはどういうことかといいますとみんな質のいいバイリンガルなんですよね。もちろん人によって得意不得意はあります。私の印象としては、ビシュケクでは、50歳以上ぐらいのおばさん、おじさんはキルギス語の方が得意、中年ぐらいの人はどっちもおんなじぐらい、若い人、子どもはロシア語の方が得意、といった感じです。田舎に行くとキルギス語が優勢になります。あと、結構な確率でみんな混ぜて話します。私はキルギス語は全く分からないのですが、一緒に住んでるキルギス人が友達と電話するときに「家にいる日本人が~~~で、私は明日仕事行けなくて」みたいなことを言っていて、この~~~のとこだけキルギス語で話してたんですよね。絶対私の悪口言うてるがな。何を言ってるかは分からないですが、聞かれたくない話を私が知らない言葉で話すとかいう高度なこともします。

ちなみに、2つ話せるってことは、そんなに2言語違わないんじゃない?と思うのですが、ぜんっぜん違う言語です。キルギス語とロシア語。文字はキルギス語の方が3文字ほど多いですがほぼ同じで読み方も変わりません。が、単語から文法から全然別の言語です。言語系統的にもロシア語はスラブ語系で、キルギス語はトゥルク語系です。たとえば「こんにちは」というあいさつにしても、「Здравствуйте(ズトラーストビーチェ)」、キルギス語は男女どちらが言うかで若干違うのですが男性なら「Салам Аллейкум(サラムアレークン)」

では、街で2つの言語がどのように使われているかを見ていきましょう。

例えば、、、

〇その辺にある看板

大抵看板は2枚1組です。1つにロシア語、もう1つにキルギス語を表記するためです。トラックなどには右側にはロシア語、左側にはキルギス語、など見る面によって変わるという面白いことも。

 

〇学校で使われている言語

キルギスの学校では、学校によって教えるために使われている言語が違います。ロシアなど外国から来た子供が多いとロシア語学校になる、などです。学校によっては半分の生徒はロシア語、半分の生徒はキルギス語で学習するなどとなっていることも。どちらの言語がいいか希望をとられるのですが、どちらかの言語が人気で入りきらなかったら希望でない言語になることもあるそう。そんなんありなのか。適当さがキルギスっぽい。学校で使っていた言語を得意とする傾向がやはり強いです。

 

〇お店やレストランなどで使われている言語

これは基本どっちも使えます。ここでも、おそらくビシュケクならロシア語で、田舎に行くとキルギス語なのかなと。お店の人の顔を見て明らかにロシア系ならロシア語かなあといった程度です。たまに、キルギス料理のお店などに行くと、メニューがすべてキルギス語、話しかけてくれるのもキルギス語なこともあります。私がキルギス語分かってなさそうならロシア語を使ってくれます。どっちも話せるの単純にめっちゃすごいな?

〇食料品や日用品など

お店で売られているものはこんな感じでロシア語+いくつかの言語が記載されていることが多いです。キルギスだけでなく近隣国でも同じく売られているので利便性のためこのようになっています。

私はこの文化が個人的にとっても面白いなって思います。日本だと日本語しかないから。

 

では、そもそもなんでロシア語が話されているのか?

それは知っている人も多いと思いますがキルギスが旧ソ連国であったからです。旧ソ連時代はキルギス語などそれぞれの国固有の国語は排除されていました。独立国となった今もその名残でロシア語が話されています。キルギスは旧ソ連国の中でもロシア語の使用頻度が高い国と言えます。キルギスのほかにロシア語を公用語としている国はカザフスタン、ベラルーシのみのようです。ほかにも中央アジアのウズベキスタンやタジキスタンでも話されてはいますが、公用語からは外れており自国の言葉を大事にするという考えのようです。

母国語を話せない(話さない)子どもたち

今、キルギスの首都ビシュケクでは、国語であるキルギス語を話せない子どもがたくさんいます。人によっては、生まれがキルギスではない、ほかの国とのハーフだ、親もロシア語しか話せない、外国人が多い地域に住んでいる、など理由は様々です。子どものせいではないので、彼らを責めたいわけではありません。特にビシュケクなら周りでロシア語がよく使われており、家や学校で話すときもロシア語ならキルギス語にふれる機会がないです。ただ、キルギス語が分からないとどうなるか。どうしてもキルギス独特の文化、考え方に疎くなってしまいます。

日本でも、日本語でしか説明しにくい文化とか考え方ありますよね?

例えば敬語。目上の人を敬う文化。敬語とは何かということを他の言語で説明するのは不可能ではないですが、日本語を知らずしてこの独自の考え方を完全に理解するのは難しいと思います。

このまま母国語を知らない若者が増えるとキルギス独自のアイデンティティーが危うくなってしまうという大問題になりえます。

と、真面目にキルギス語の存続の危機(?)についてお話ししましたが、ロシア語がだめというわけでもないと思っています。なぜならロシア語は多くの国で使われており、知っていると、ほかの国に行った時にとても便利だからです。これはこれで大事な役割を担っていると思います。

とはいえ、日本語しか話せないし、バイリンガルにあまりなじみがない私(英語もまともに話せない)にとっては、程度の差はあっても2言語話せるだけで本当にすごいとしか感じないです。本当に。

そして改めて母国語って大事なんだなと思いました。自分が日本人であるというアイデンティティーを持つために日本語は必須なのではないかと。

 

ということでではまた!